アジワン君支援

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イスラエルの病院で治療をうける、クルドの子どもたち

ーー「シリアのパスポートを失うかもしれないと警告されましたが、イスラエルに来るのは怖くありませんでした。」

エルサレム・ポスト
マアヤン・ヤッフェ・ホフマン記者による2019年10月24日報道の記事
概訳
(翻訳:棟方玲宇)

昨年勃発したトルコ軍とシリア自由軍によるアフリーン攻撃のあと、シリア北部に住んでいたアラムさん(仮名)と彼女の家族は家を追われ、この度のトルコの軍事行為のために難民となった他の何百、いや何千というシリア人と同様、イラク・クルディスタン(イラクのクルド人居住区)に落ち延びた。


アラムさんがイラク・クルディスタンにたどり着いた時、彼女の3歳半になる息子、アジワン君に心臓手術が必要になったが、その手術はクルディスタンでは不可能であった。しかし、クルディスタンで働くあるアメリカ人医師が、イスラエルの病院ならば、治療を受けれる可能性があると告げた。

「シリアのパスポートを失うかもしれないと警告されましたが、
イスラエルに来るのは怖くありませんでした。」
アラムさんはこのように、エルサレム・ポストに語った。

程なく、アジワン君はエルサレムに拠点を置くクリスチャン・シオニストNGOシャヴェット・アヒムとつながり、同団がアラムさんとアジワン君にビザと、テル・ハショメルにあるシェバ医療センターでの心臓手術を手配した。

このNGOシェヴェット・アヒムは非イスラエル人の子どもたちがユダヤ人機関で医療行為を受けられるように援助することを目的として活動している。「昨今の需要増大に関係なく、この働きは継続に行われている。」と同団の会長ヨナタン・マイルズはポストに説明した。過去10ヶ月間、彼らは本件と同様に41人のイラク人、クルド人そして、3人のシリア人の子どもたちへ、シェバでの治療とビザを手配している。(中略)


ほとんどの手術は国際先天性心臓センター長であるダヴィッド・ミシャリ医師とシェバのサフラ子供病院によって執刀されている。これらの手術を行わなければ、子どもたちは死亡するか、一生涯不自由な思いをして生きることを余儀なくされる、とミシャリ医師はポストに語った。(中略)

さらに彼は「子どもたちの医療記録を見ると、我々の持っている高度な検査機器で発見する病状と異なっている場合が多くあります。」と説明した。「それはひたすら、第三世界における医療の遅れによって引き起こされるのです。イスラエルのような西側諸国に比べて、60年近くは遅れているのですから。」(中略)

ミシャリ医師も報道によって世情は把握している。故に、彼のところに来る患者たちが、様々なトラウマを経験したことも承知である。しかし、彼はあえて、シリア、イラクなどの地域で発生している情勢にはとらわれず、患者と向き合うようにしている。


「私は、彼らをイスラエル人の患者と同じように治療します」医師は言を続ける。「彼らは素晴らしい人達です。優しい生身の人間なんです。彼らを治療できることは、私の喜びです。」


患者のケアは看護師だけでなく、社会福祉士なども含めた複合的なチームによって行われている。
アラムさんや他のクルド人たちは「病院に捕らわれている」とは感じないと証言している。シェバもイスラエル当局も彼女らに外出したり、神殿の丘で祈る自由を与えているし、シェヴェット・アヒムは、エルサレムやテル・アビブを案内する。

「私はすべての支援、特に、息子を助けてくださっているシェバの医師の皆さんに心から感謝しています。」アラムさんは語った。

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